訪問回数 自党選挙区 他党選挙区
自 由 党 29回 57% 43%
保 守 党 47回 25% 75%
新民主党 30回 22% 78%
ケベック連合 33回 54% 46%
●テレビ討論以降
訪問回数 自党選挙区 他党選挙区
自 由 党 34回 36% 64%
保 守 党 25回 21% 79%
新民主党 20回 61% 39%
ケベック連合 27回 84% 16%
選挙戦の最初の3週で、新民主党のシン党首が訪問した78%は、他党の選挙区だった。これは他党に比べると非常に高い数字で、同党が他党の選挙区を奪い、躍進を目論んでいたことがわかる。
だがテレビ討論を境に、同党は守勢に転じる。公式政党ステータスを失えば院内での活動は制限されるため、12議席を死守する方針に転換したのだ。それゆえ選挙期間の終盤は、シン党首が訪問した選挙区の61%が、新民主党の保持する選挙区となった。
バンクーバー・キングズウェイ選挙区は、新民主党が2008年から保持する鉄板選挙区だが、今回は激戦となっている。シン党首はここに、3回も訪問している。自身が保有するバーナビー・セントラル選挙区にも4度訪問しているが、こちらは落選が予想されている。これらの訪問は、同党がこれらの選挙区を失うわけにはいかないという苦しい事情を表すものだ。
なお26日バンクーバーで、フィリピン人の祭に車が突入し11人が死亡する事件があり、シン党首はその数分前まで現地にいた。
マギル大学で政治学を教えるタリ・アジャディ准教授は、新民主党はもっと早く守勢に転じるべきだったと述べた。
保守党が目指しているものは、政権奪取であり、ほかの何物でもない。そして競争相手は自由党であり、ほかの誰でもない。ポワリエーブル党首の訪問先の4分の3以上は保守党が奪取したい他党の選挙区であり、そのうち80%は自由党の選挙区だった。
アジャディ准教授は、次のように説明する。
「政権奪取のため、彼らは攻勢を取る必要がある。そして彼らは、GTAのような地域で議席を奪う必要がある。」
他党が飛行機で国中を飛び回っているのに対し、ケベック連合はケベック州にだけ候補を立て、バスでケベック州を巡っている。ブランシェ党首は選挙戦序盤では攻勢と守勢半々だったが、テレビ討論以降は84%は保有する選挙区を廻り、守勢を取った。彼は最後の10日間で、激戦地となっているテレーズ-デ・ブレンビル選挙区とロンゲイユ-サン=ユベール選挙区を複数回訪問している。アジャディ准教授は、ケベック連合がこれらの選挙区を死守し、自由党の侵入を阻止することがあれば、自由党の過半数阻止もありえると分析した。
【関連する記事】