2008年12月01日

自由党・新民主党、さらなる連立協議

 予算案は例年2月に上程されるが、ジム・フラハティ財務相は11月30日、次年度予算を1月27日に上程すると発表した。この席で彼は初めて、フォード・ゼネラルモータース・クライスラーの「ビッグ3」自動車メーカーを救済するための公的資金投入を示唆した。またジョン・ベアード運輸相は、連邦公務員のストライキ禁止を撤回した。
 ハーパー政権は野党を激怒させたこれらの政策を撤回し、事態の収拾に努めているが、自由党と新民主党は同日、さらなる連立協議を行った。そこで両党は、閣僚ポストを自由党18・新民主党6・ケベック連合0とすること、3党は2年6か月間連立政権を支えることを決定した。
 しかし3党は依然として、カナダ軍のアフガニスタン撤退などについて意見を異にしている。新民主党は、公務員のストライキ容認と法人税減税を要求するだろう。ケベック連合は、ケベックの基幹産業である航空・酪農産業への税制優遇と連邦権限の州への委譲を要求するだろう。そして連立政権首班は最も紛糾しそうな問題であり、保守党政権は3党の足並みの乱れにつけこみ、攪乱してくることが予想される。
 だが自由党党首選に立候補したボブ・レイ議員はこの日、競争相手のマイケル・イグナティエフ議員とドミニク・ルブラン議員を会談に誘い、3人協同でディオン首班を支持することを訴えた。イグナティエフは幹部会で最も支持されており、党内はディオン首班でまとまりそうだ。
 ハーパー首相が解散・総選挙を要請した場合許可するかどうか、許可しない場合は誰を首相に指名するかは、総督の権限である。ミカエル・ジャン総督は現在、東ヨーロッパを訪問しており、12月6日まで帰国しない予定になっている。
posted by 高橋 幸二 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 2008年政治危機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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