毎日の国歌斉唱は法律上の根拠がなく、ただの習慣であり、その実施は個々の学校に委ねられている。エリック・ミレット校長は、国歌斉唱について宗教上の理由から異議を唱えた2人の父兄の要望を容れてこの決定を下したと説明したが、異議の具体的内容やその宗教の種類について公表することは固辞した。
連邦のグレッグ・トンプソン退役軍人大臣は、校長の決定を批判した。
「第一にして最大の問題は、この人物が校長であり、児童だけでなく地域社会への義務も負っているということだ。私は彼が過ちを認め、伝統を復活させることを提案する。」
ニューブランズウィック州のケリー・ラムロック文部大臣は
「率直に言うが、学校は国歌を演奏しなければならない」
として、校区に国歌斉唱を義務づける勧告をすると語った。

「私は国外に追放されるべきだ、タリバンとの戦いの最前線に置かれるべきだなどと中傷する2000通もの電子メールを受け取った。私は、メディアの報道において歪曲されたイメージを貼られることにうんざりしている。」
ミレット校長は、毎朝の国歌斉唱は廃止したが、毎月の全校集会では依然として歌われているという事実が、報道から抜け落ちていると指摘し、メディアが作り出した神話によって、学校がしてきた事実は歪められ、メディアによって誘導された教義が民衆をマス・ヒステリアへと導いていると語った。

校長はまた、スクールバスの遅れがしばしば毎朝の国歌斉唱を混乱させている点を指摘した。
この学校の児童ジュリー・ボイドの母スーザンはしかし、児童たちは教室にいるかどうかに関係なく、国歌が演奏されると立ち止まっており、混乱はないと反論した。彼女は甥のデビッド・グリーンスレイドを2年前、カンダハルで亡くしている。

スーザン・ボイドは、ワトソン教育委員長や保守党のグレッグ・トンプソン下院議員らと協議し、学校の決定を変えさせるための嘆願書作成に動いた。インターネット上でもocanadapetition.piczo.comがオンライン嘆願書を作成し、236人の回答者の全員が、毎朝の国歌斉唱復活を支持した。
写真上:緑の党から出馬したエリック・ミレット校長。
写真中:スーザン・ボイド。
写真下:自宅でオー・カナダを歌うジュリア・ボイド(左)とカーラ・ボイド姉妹。