欧州議会におけるアザラシ製品禁輸措置の衝撃覚めやらぬ翌5月6日、カナダの下院は、2010年に開催されるバンクーバー・オリンピックにおいて、連邦政府に対しアザラシ製品の宣伝に努めるよう求めるとともに、カナダ・オリンピック委員会に対し、選手のユニフォームをアザラシの革で作るよう求める動議を、「全会一致」で採択した。
先住民団体「イヌイット・タピリート・カナターミ」(ᐃᓄᐃᑦ ᑕᐱᕇᑦ ᑲᓇᑕᒥ/イヌイット協会)のメアリ・サイモン代表も、オリンピック委員会がイヌイットの石の道標「イヌクシュク」をオリンピックのロゴに採用したことを指摘し、オリンピック委員会に対し「我々の文化も含めてイヌイットを最後まで支援すべきだ。そしてアザラシ猟も、我々の文化だ」と語り、動議を支持した。
しかし、カナダ・オリンピック委員会のクリス・ラッジ会長は「我々はカナダ人の権利を尊重するし、政治家がこのような議論に関与することを尊重する。しかし社会的・政治的な問題に関与することは、オリンピックやオリンピック・チームの役割ではない」と述べ、提案の拒否を表明した。
【参考】
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2006-03-04
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2006-04-08
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2009-05-08
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2009-05-10
2009年05月15日
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