
「住宅争奪ハードル走」は、ホームレスがハードルを乗り越えてゴールの家を目指す競技だが、「仕事を探せ」などと役所の担当者が行く手を阻む。「約束破りスラローム」は、ハーパー首相やブリティッシュコロンビア州首相に扮したスキーヤーが「福祉政策の充実」などと書かれた旗門を避けて進む競技である。
聖火リレーを仕切ったトリッシュ・ガーナーさんは「裕福な人たちのためのわずか2週間余りのイベントに、州は70億ドルものお金を浪費している」。バンクーバー市議のエレン・ウッズワース氏は、五輪組織委員会がホームレスに2千戸の住宅を用意するという約束を実現していないことを挙げ、「五輪が終わったら、同じぐらいのお金を福祉や住宅政策に費やさないとダメだ」と話した。
地元の支援団体によると、市内のホームレスは約2300人。五輪を前に7軒のシェルターが建てられたが、どこも満室状態だ。別の支援団体は、不況に加え、気候が穏やかなバンクーバーで冬を越そうと、各地から流入するホームレスが多いと説明する。
写真:バンクーバー・オリピックのマスコット「クワッチ」を倒す「貧困オリンピック」マスコットのゴキブリ。