
ニールセンは、サスカチュワン州レジャイナに生まれた。兄のエリックは1983年に進歩保守党暫定党首、1984年にマルローニ内閣の副首相に就任している。父はRCMP(カナダ連邦警察)の巡査だったが、家庭内暴力がひどく、ニールセンは逃げ出すことばかり考えていたという。
少年時代を一時、北極圏から320キロ南のノースウェスト準州フォート・ノーマンで過ごしている。村の人口は15人で、うち5人はニールセン家だった。彼は当時の生活を「もし父が誰かを冬に逮捕したら、容疑者を引き渡すのに雪解けまで待たなければならない」と述懐している。
彼はエドモントンの高校を卒業するとすぐ、カナダ空軍に入隊するが、若かったので戦地に行くことはなかった。退役後はカルガリーのラジオでディスクジョッキーを務め、それからトロントとニューヨークで演劇を学んだ。
俳優になった当初は、アクション映画などを中心にシリアスな役を演じていたが、実は私生活ではお調子者だった。そんな彼の隠れた才能は、1980年の映画「フライングハイ」のスマッシュヒットによって開花する。1988年の「裸の銃を持つ男」も大ヒットし、以後もっぱらコメディ作品に出演するようになった。
1985年のフェイク・ドキュメンタリー「カナダの陰謀」は、カナダ政府がアメリカをメディア買収によって崩壊させる陰謀を描いているが、政治家の兄エリックの発想を多く取り入れている。