2011年12月03日

カナダ人をイタリアの副大臣に指名-実は人違い

0324e1c34f7cb3be2a2c1be52d39.jpg ゲルフ大学商学部のフランチェスコ・ブラガ教授は、11月28日にイタリアの新聞社サイトを見ていたとき、イタリアのマリオ・モンティ首相が自分を農務副大臣に指名したというニュースを見つけて仰天した。彼は思わず妻を呼んだが、彼女は「それはきっと別の人よ」と笑いながら言った。彼が故郷イタリアを後にしたのは、もう28年も前のことだった。
 ところが翌朝、イタリア農務省から電子メールが届いた。そこには、すぐに電話するようにと書かれていた。そのころになると、イタリアの新聞社サイトが「ゲルフ大学でアグリビジネスを教えるイタリア系カナダ人」としてブラガ新副大臣の写真と、マリオ・カタニア新農務大臣の「面識はないが、彼の評判については聞いている」というコメントを掲載した。すると膨大な数の電子メールが、いっせいにブラガ教授のもとに送られた。友人たちからも「おめでとう。力になるよ」と励まされた。それから彼は、イタリアのあらゆるメディアのインタビューを受けた。彼はここに至り、入閣要請を受け容れようと思い始めた。
 イタリア国籍を持つカナダ市民には、イタリアの参政権があり、過去に2人のカナダ市民がイタリアの議員に当選している。

 ところが30日になって、イタリア首相官邸から電話で、入閣の話は間違いだったと告げられた。農務副大臣に指名されたのは、サピエンツァ大学で土木工学を教えるフランコ・ブラガ教授だったのである。
 イタリア首相官邸はその後、短い声明を発表した。
「新農務副大臣は、近日中に任命される。全てはあるべきとおりに進行している。」



【参照】 イタリア総選挙でカナダ人当選
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2006-04-21
写真:フランチェスコ・ブラガ教授。
posted by 高橋 幸二 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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