
ところが翌朝、イタリア農務省から電子メールが届いた。そこには、すぐに電話するようにと書かれていた。そのころになると、イタリアの新聞社サイトが「ゲルフ大学でアグリビジネスを教えるイタリア系カナダ人」としてブラガ新副大臣の写真と、マリオ・カタニア新農務大臣の「面識はないが、彼の評判については聞いている」というコメントを掲載した。すると膨大な数の電子メールが、いっせいにブラガ教授のもとに送られた。友人たちからも「おめでとう。力になるよ」と励まされた。それから彼は、イタリアのあらゆるメディアのインタビューを受けた。彼はここに至り、入閣要請を受け容れようと思い始めた。
イタリア国籍を持つカナダ市民には、イタリアの参政権があり、過去に2人のカナダ市民がイタリアの議員に当選している。
ところが30日になって、イタリア首相官邸から電話で、入閣の話は間違いだったと告げられた。農務副大臣に指名されたのは、サピエンツァ大学で土木工学を教えるフランコ・ブラガ教授だったのである。
イタリア首相官邸はその後、短い声明を発表した。
「新農務副大臣は、近日中に任命される。全てはあるべきとおりに進行している。」
【参照】 イタリア総選挙でカナダ人当選
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2006-04-21
写真:フランチェスコ・ブラガ教授。