カナダ銀行は、2011年から流通しているポリマー製新紙幣の肖像に、同姓婚、黒人ホッケー選手、ターバン着用の警察官、車椅子バスケットボールをする人などの採用について検討したが、審議の結果断念していたことがわかった。
カナダ銀行は47万6000ドルを費やして、世論調査機関ストラテジック・カウンセル社にいくつかの肖像案についての調査を依頼した。対象となった図柄は、中国人のドラゴン・パレード、宣誓する新市民、トロントのカリバーナ、ホッケーあるいは雪だるまで遊ぶ様々な人種の子供たち、車椅子バスケットボールをする人などであった。そのうち、最も良い印象を与えた図柄は、雪だるまを作っている様々な人種の子供たち、カナダ・デーを祝う様々な人種の人々、ホッケーをする様々な人種の子供たちなどだった。
ホッケーの図柄は、「暴力的スポーツを称賛する」という理由で除外された。
アフガニスタンのカナダ軍の図柄は、軍隊による平和維持活動に関する議論を招くからという理由で除外された。
アイスワインの図柄は、「銀行券に酒が表示されるのは良くない」という理由で除外された。
「安全な都市」「銃のない街」の図柄は、紙幣が流通する間にそのテーマが持続できないかもしれないという理由で除外された。
雪を含んだ図柄は、地球温暖化が進行する可能性があることから、最も強く反対された。
風力発電とソーラー・パネルの図柄は、いわゆる「クリーン・エネルギー」が議論の的になるという理由で除外された。
レスター・ピアソン元首相、「メディケアの父」トミー・ダグラスは、おそらく政治的に中立でないという理由で除外された。
100ドル札の裏には当初、アジア系の女性が顕微鏡をのぞき込む姿が描かれるはずだったが、「アジア系は科学技術において優れているという印象を与えるおそれがある」という理由で、白人女性に差し替えられたことがある。カナダ銀行は結局、5ドル札には宇宙で働くロボットアーム、10ドル札には電車、20ドル札にはビミーリッジ・メモリアル(※裸体を含んでいることが議論を呼んでいる)、50ドル札には砕氷船の図柄を採用した。
【参照】 ポリマー製の新紙幣を発表
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2011-06-21
2013年02月11日
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