2015年09月18日

ケベック連合は生き残れるか

 ケベック連合は、1993年の最初の総選挙以来、一貫してケベックの第一党であり続けた。それが2011年総選挙では、わずか4議席に転落した。その後は内紛と離党が相次ぎ、解散時勢力は2議席しかない。
 ケベック連合候補に当選する可能性のある選挙区は、わずか15しかない。そのうち11選挙区は勝率1%未満であり、当選の見込みは最大で4選挙区しかない。最悪の場合、ケベック連合は1議席も獲れずに、連邦議会から一掃されることもありえる。
 最も当選の可能性があるのは、ベカンクール=ニコレ=ソレル選挙区の現職ルイ・プラモンドン議員である。彼は、ケベック連合が初めて戦った1993年総選挙で当選して以来、ずっと議員を務めている。彼の勝率は、26%と算出された。
 次に望みが高いのは、ガスペジー・マドレーヌ諸島選挙区のニコラ・ルッシ候補で、勝率は25%と算出された。
 アビニョン=ラ・メティ=マターヌ=マタペディア選挙区のケディナ・フルーリ=サムソン候補にも、当選する可能性が残されている。この選挙区の現職はジャン=フランソワ・フォルタン議員で、前回総選挙でケベック連合から立候補したが、後に離党して新党「力と民主」を結成した。泡沫政党党首の彼に当選の可能性はないが、フルーリ=サムソン候補が当選できるかどうかは、フォルタン候補がケベック連合の票をどれだけ奪えるかにかかっている。
 リッチモンド=アサバスカ選挙区は、ケベック連合・新民主党・保守党・自由党の4党が接戦を繰り広げる数少ない選挙区の一つで、オリビエ・ノラン候補にも当選の可能性はある。

 ケベック連合が連邦議会から一掃された場合、その未来はどうなるのだろうか。以下の3つのシナリオがある。
 (1) 泡沫政党としてこれまで通り存続
 片手で足りるだけの選挙区に細々と候補を立て、テレビ討論には招待されない。これが最もありそうなシナリオである。
 (2) ケベック連合は消滅し、新たな分離主義政党が結成される
 ケベック独立は依然として根強い人気があり、州レベルでは分離主義のケベック党が有力政党のまま存在している。これもありそうなシナリオではある。
 (3) ケベック連合は消滅し、新たな分離主義政党は結成されない
 世論調査は、ケベック連合支持者の第2の選択は、40%が新民主党、30%が棄権であることを示している。ケベック連合が消滅すれば、それらの票の多くを新民主党が吸収し、その支持率はケベックで50%にも達するだろう。その場合、70議席以上の獲得が見込めるようになる。
posted by 高橋 幸二 at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 2015年下院選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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