2020年04月28日

シーア党首、スローン発言を非難

 保守党のデレク・スローン議員が、テレサ・タム公衆衛生局長の忠誠心を疑う発言をしたことに対し、シーア党首は4月27日沈黙を破り、保守党の見解とは異なると述べた。
「彼の発言と彼の立ち位置について、私は同意しない。それは、我々の幹部会の立ち位置とは異なる。」
「国家に対する誰かの忠誠を疑うのは、適切ではないと思う。それはあまりに深刻な告発であり、相当な証拠がなければならないと私は確信している。」
 だが、スローン議員の幹部会からの除名はありえるかと問われると、回答を拒否した。そして、トルドー首相がすぐに国境を閉鎖しなかったことを挙げ、タム局長がトルドー政権のスケープゴートになってはならないと述べた。

 ミシェル・レンペル・ガーナー議員はツイッターで、スローン議員の発言を強く批判した。
「こんなことを言わなければならなくなるとは思わなかったが、彼女はアジア系だ。中国とカナダのどちらのために働くのか、と言うとき、二つの忠誠があることが前提されている。二重忠誠デマは長い間、反ユダヤの文脈において、また人種差別を繰り返す目的で使われてきた。」
 いっぽう党首選に立候補しているレスリン・ルイス氏は、スローン議員へのバッシングは行き過ぎていると述べた。
「カナダのような自由で民主的な社会では、人種差別だと糾弾されることなく、WHOや政府や、あるいは政府高官に異議を申し立てることが許されるべきだ。」
 党首選本命のピーター・マッケイ元法務大臣と対抗馬のエリン・オトゥール元退役軍人大臣は、この問題にコメントしていないが、中国がウィルスを広めたと非難する声明に二人とも署名している。
posted by 高橋 幸二 at 15:58| Comment(1) | 新型コロナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
保守党議員の有志が、デレク・スローン議員を幹部会から除名するための署名を25人分集めたと、ハフィントン・ポストが5月8日に報じた。
 党則によると、上下両院議員からなる幹部会の20%の署名があれば、幹部会は秘密投票を行い、過半数の同意があれば除名される。現在下院121名・上院24名の計145名いるため、署名は29人分必要となる。
 幹部会は8日に召集されたが、投票は行われなかった。
Posted by 高橋幸二 at 2020年05月09日 14:23
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