2020年12月26日

2020年今年話題の人物に「前線で働く人々」

 カナディアン・プレスは12月16日、2020年「今年話題の人物」に「前線で働く人々」を選出した。複数が選出されるのは、2006年の「カナダ軍」、2007年の「RCMP(カナダ連邦警察)」、2018年の「フンボルト・ブロンコス」に続き4度目となる。

 医療従事者は、命の危険を冒し、家族を家に残して出勤し、しばしば死んで行く人々の手を握り、その最期を看取る人になった。商業従事者は、感染するリスクを冒しながら、生活必需品を人々に届けるため、人知れず働いた。
 トロント・スター紙の編集者ジョディ・アイゼンバーグ氏は、前線で働く無名の人々を賞賛した。
「前線で働く人々は、新型コロナがどういう性質のものかよくわかっていなかった当初から、命の危険を冒していた。」
 CTVカルガリーの編集主幹ドーン・ウォルトン氏も、彼らの犠牲を強調した。
「国民の多くは、家に留まることで感染阻止に貢献した。だが前線で働く人々は、あえて進み出ることで貢献した。」
 カナダ食品&商業組合のポール・マイネマ委員長は、商業従事者の重要性を自負した。
「人々は毎週食料雑貨店に行き、新鮮な食品が常に棚にあるのは誰のおかげだったか、考えようとすることはなかった。新型コロナは、この仕事の重要性をあらわにした。」
 オプティラブ-マギル大学保健センターのエンゾ・カプリオ局長は、3月から43万回のテストを行い、本来なら何年もかかる作業をほんの数ヶ月で終えたと語った。
「3月から私は毎日、13時間働いている。私のスタッフは、立ち止まらなかった。」
「彼らは自分たちのしていることの重要性を理解しており、自発的にそうしている。」
 ペンティクトン・ヘラルド紙編集主幹のジェームズ・ミラー氏は、こう述べた。
「人々は悲惨な年に、我々の日常的なヒーローはプロスポーツ選手でも、ミュージシャンでも、政治家でもなく、前線で働く人々だったと思い出した。」

 「今年話題の人物」は伝統的に、多くは政治家であり、ときにはアスリートだった。だが新型コロナウィルスCOVID-19は、この年一貫してニュースの話題であり続けた。「前線で働く人々」は、テレサ・タム公衆衛生局長らに大差をつけ、圧倒的多数に支持された。
posted by 高橋 幸二 at 23:59| Comment(0) | 今年話題の人物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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