グレースノート社の予想によると、カナダ代表は、パリ・オリンピックで7個の金メダルを獲得することになっている。そうなれば、ボイコットのない夏季大会としては2021年東京大会に並ぶ最多記録となる。またカナダが獲得する総メダル数は21個と予想されており、東京大会より3つ少ないだけだ。
●サマー・マッキントッシュ(水泳)
今大会最大のスターが、17歳の天才少女サマー・マッキントッシュであることに疑いの余地はない。オリンピック・スイマーの娘として生まれ、東京大会に14歳で代表入りした彼女は、数々の最年少記録を塗り替え、今大会では200mバタフライと400m個人メドレーで金メダルを期待されている。400m自由形リレーと400mメドレーリレーでも銅メダルと予想され、さらにいくつかのメダルを獲得するチャンスがある。
2016年リオデジャネイロ大会で、16歳のペニー・オレクシアクが1大会最多の4個のメダルを獲得したのは、いまだ記憶に新しい。今大会のマッキントッシュは、この記録を破る可能性を秘めている。
カナダ史上最多の五輪7冠に輝いたオレクシアクは、膝の手術を受けて以降は全く精彩を欠き、今大会ではいかなる個人種目においても代表入りを逃した。彼女の今大会出場は、400m自由形リレーだけである。今大会は、新旧女王の入れ替わりを見ることになるだろうが、オレクシアクには通算8個目のメダルを獲得するチャンスがある。まだ24歳と若い彼女の、復活にも注目したい。
●クリスタ・デグチ(柔道)
カナダ人の父と日本人の母から生まれ、長野県で育ったクリスタ・デグチは、ジェシカ・クリムカイトとの選考争いに敗れ東京大会には出場できなかったが、今大会では世界ランク1位となった彼女が代表入りの切符を手にし、金メダルが予想されている。なお彼女の57キロ級には、2022・23年の世界選手権で2位の舟久保遥香がいる。
彼女の妹ケリー・デグチも52キロ級に出場しているが、東京大会金メダリストの阿部詩と初戦で対戦する。
柔道ではほかに、100キロ級のシャディ・エルナハスが銀メダルを予想されている。なおこのクラスには、東京大会金メダリストのウルフ・アロンがいる。また63キロ級のカトリーヌ・ボシュマン=ピナールが、銅メダルを予想されている。
●フィル・キム(ブレイキン)
2028年ロサンゼルス大会では、ブレイキンは採用されないことが決まっている。パリ・オリンピックは、ブレイキンが採用されるおそらく唯一の大会になるだろう。
カナダ代表のフィル・キムは、オリンピック史上初の、そしておそらくは最後の金メダリストになると予想されている。
●サッカー女子代表
東京大会で金メダルを獲得したサッカー女子代表は、今大会では12チーム中8位という評価で、メダル獲得は絶望視されている。東京大会を牽引したエースのクリスティン・シンクレア引退を受け、昨夏のワールドカップでは予選リーグを抜けることなく敗退した。
7月26日の初戦の相手は、12チーム中最弱と評価されるニュージーランドで、楽勝とも思えたが、ニュージーランド代表の練習をドローンで盗撮していた「ドローンゲート事件」発覚により、関わったコーチ2名が帰国の処分を受け、ベブ・プリーストマン監督は自主的に初戦の指揮を辞退する前途多難の船出となった。
●バスケットボール男子代表
バスケットボールがカナダ人ジェームズ・ネイスミスによって考案されたのは知る人ぞ知る事実であるが、カナダ男子代表はオリンピックで一度も勝ったことがなく、21世紀では今大会が初出場となる。スーパースターのシャイ・ギルジャス=アレクサンダー以下、NBA選手を揃え昨夏のワールドカップで銅メダルに輝いた男子代表を、グレースノート社はメダルなしと予測した。
グレースノート社の予測するカナダのメダリストは、以下の通りである。
●金メダル
サマー・マッキントッシュ(女子200mバタフライ)
サマー・マッキントッシュ(女子400m個人メドレー)
ダミアン・ワーナー(十種競技)
カムリン・ロジャース(女子ハンマー投げ)
イーサン・カッツバーグ(男子ハンマー投げ)
フィリップ・キム(ブレイキン)
クリスタ・デグチ(柔道女子57キロ級)
●銀メダル
ジョシュ・リエンド(男子100mバタフライ)
陸上男子400mリレー
マーコ・アロップ(陸上男子800m)
サラ・ミットン(女子砲丸投げ)
タマラ・ティボー(ボクシング女子75キロ級)
ケイティ・ビンセント(カヌー女子カナディアンシングル200m)
ケイティ・ビンセントとスローン・マッケンジー(カヌー女子カナディアンペア500m)
キャサリン・ボシュマン=ピナール(柔道女子53キロ級)
アーティスティック・スイミング
●銅メダル
カイリー・マッセ(女子100m背泳ぎ)
女子400m自由形リレー
女子400mメドレーリレー
ボート女子エイト
シャディ・エルナハス(柔道男子100キロ級)
2024年07月26日
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