カナダ水泳界の偉人たちを抜き頂点に立ったことを問われると、彼女はこう答えた。
「私をこの道に導き、私を今の地位に来るまで励ましてくれた、多くの先達が私の前にありました。」
「私は、自分が達成できたことを誇りに思います。」

400m自由形決勝は、7月27日に行われた。競泳関係者は、これを今大会最大のレースと呼んだ。東京大会金メダリストで世界記録保持者のアリアーン・ティットマス(オーストラリア)と、オリンピックで10個のメダル・7個の金メダルを獲得したケイティ・レデッキーに、この時点ではメダル0の新鋭マッキントッシュが挑む戦いで、3人は互いに何度も世界記録を更新し合った。このレースは、2004年アテネ大会でイアン・ソープ(オーストラリア)、ピーター・ファンデンホーヘンバント(オランダ)、マイケル・フェルプス(アメリカ)が戦った200m自由形「世紀のレース」と並び称された。
結果は、ティットマスが終始リードを保ち1着、マッキントッシュも終始2着のまま、人生初のメダルを獲得した。レデッキーは銅メダルだった。競技を終えたマッキントッシュは語った。
「二人と競うときはいつでも、多くを学ぶ機会になります。二人は私を、ベストな状態に押し出してくれます。本当にいいレースでした。」
「ターミネーター」の異名を取るティットマスは、ライバルのレデッキーを称賛したが、なぜかマッキントッシュの名に言及しなかった。
「いい結果を得てうれしいです。そして、このレースに参加でき、ケイティのようなレジェンドたちと競い合えてとても光栄です。」
「私は彼女を、人として尊敬しています。そして今夜、私がすばらしいショーを行い、みんながそれを楽しんだことを、望んでいます。」
3位に入ったレデッキーは、先着した二人を称えた。
「私たちは、それが偉大なレースであり、多くの偉大なライバルたちがいると認識していました。アリアーンとサマーは、本当によくやりました。」
表彰式を終えると、マッキントッシュはただちに次の400mリレーに向かった。アメリカは選手の層が厚く、予選と決勝で選手を入れ替えることができる。今競技を終えたばかりのレデッキーは、出場しない。だがカナダ・チームは、4人全員がメダリストのベストメンバーで臨む。一人目はマーガレット・マクニール、二人目はテーラー・ラック、三人目はサマー・マッキントッシュ、四人目はペニー・オレクシアクだ。オレクシアクはカナダ最多の通算7個のメダル保持者だが、膝の手術後はスランプに陥り、今大会出場はこの1種目だけだ。マッキントッシュはここで2個目のメダル獲得を目指したが、結果は3着から大きく離された4着に終わった。

オレクシアクは8月3日、400mメドレーリレーの予選に出場した。イングリッド・ウィルム、ソフィー・アンガス、メアリ=ソフィー・ハービーの3人はオリンピックでのメダル獲得はなく、いわば「二軍」のメンバー編成だ。カナダ・チームは2組予選を1位で通過した。4人全員が決勝には出場しないが、決勝のメンバーが3着以内に入れば、オレクシアクも通算8個目のメダルを手にすることになる。
「この日に備え、長い一週間でした。人々はあたかも『オレクシアクはどこにいる?』と言うかのようでしたが、私は今ここにいます。そして私は、明日起きることにわくわくしています。」
カイリー・マス、ソフィー・アンガス、マーガレット・マクニール、サマー・マッキントッシュの4人で臨んだ8月4日の決勝では、カナダ・チームは第三ランナーが2位で通過したものの、最終ランナーのマッキントッシュが失速し、4着に終わった。
これで競泳は全日程を終了した。マッキントッシュの1大会での獲得メダル数は4個で確定し、競泳選手ではオレクシアクの記録に並んだ。なお1大会で最も多くのメダルを獲得したカナダ人は、シンディ・クラッセンのトリノ大会での5個である。通算7個のメダルを獲得したオレクシアクの今大会は、メダル0で終わった。
写真上:金メダルを獲得したサマー・マッキントッシュ。
写真下:女子400mメドレーリレー予選。左からペニー・オレクシアク、ソフィー・アンガス、メアリ=ソフィー・ハービー、イングリッド・ウィルム。