2024年08月27日

鉄道スト、早期に終結

 鉄道労組「チームスターズ・カナダ鉄道会議」は、カナディアン・ナショナル鉄道(CN)とカナディアン・パシフィック・カンザスシティ鉄道(CPKC)との交渉決裂を受け、8月26日にストライキを開始すると通告した。これを受けて両鉄道会社は22日、組合員のロックアウトに着手した。政府はスト回避のため、カナダ労働関係委員会(CIRB)に仲裁手続きを進めるよう命じ、24日暫定的な合意に至った。会社はロックアウトを、組合はストを中止し、早期に解決した。
 チームスターズのポール・バウチャー会長は、懸念を表明した。
「労働関係委員会によるこの決定は、危険な前例となる。大企業が数時間操業を停止し、短期的な経済的苦痛を与えただけで、連邦政府が組合を解散させるため介入できることをカナダ企業に教える行為だ。今日、カナダの労働者の権利は著しく低下している。」
 労組の代弁者である新民主党のシン党首は、政府はあくまでも民間企業の争議には不介入であるべきだったと語った。
「反労働者としての先例を何度も作ることで、トルドー首相は企業家に明確なメッセージを送った。」
「カナダ政府は、大企業にへつらっている。それは後退だ。上層部の億万長者以外の、あらゆる人々を傷つける。」

 自由党は下院で過半数に達していないが、新民主党は自由党政権を2025年6月まで信任する協定を、22年3月に締結している。新民主党はその条件として、健康保険でカバーされなかった歯科診療の保険適用や、選挙の投票を選挙区のどの投票所でもできる改革などを要求した。要求の中には、スト期間中に非組合員を充てるのを禁ずる「反スト破り法」も含まれている。
 自由党のカリナ・グールド下院院内総務は27日、新民主党の閣外協力は25年6月まで続くと断言した。
「協定は良い協定だと、私は確信している。それは強い合意であり、6月末まで続く。」
 新民主党が協定を守るかぎり、6月まで総選挙はなさそうだ。ただし首相が解散する場合は、早期の総選挙はありえる。
 新民主党のピーター・ジュリアン下院院内総務は、協定の先行きについて懐疑的に語った。
「新民主党とシン党首にとって、協定を破る選択肢は、常にテーブルの上に乗っている。」
posted by 高橋 幸二 at 23:59| Comment(0) | 犯罪・事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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