2024年09月05日

新民主党が政権離脱、自由党政権窮地に

 新民主党は9月4日、閣外協力から離脱するとトルドー首相に通告し、ソーシャルメディアで発表した。通告は12時47分、動画投稿は12時55分だった。
 新民主党のシン党首は、動画の中で自由党を批判するととともに、これからは保守党との戦いだと語った。
「ジャスティン・トルドー氏は、何度も何度も実証した。企業の貪欲に屈するであろうことを。自由党は、人々を失望させた。彼らは、カナダ人からもう一つのチャンスを与えられるに値しない。」
 新民主党の労働問題担当マシュー・グリーン議員は3日、新民主党が関与した鉄道ストに政府が介入してから、閣外協力の見直しが議論されていると語っていた。
 政権離脱を呼びかけていた保守党のポワリエーブル党首は、シン党首の発表を評価せず「スタンドプレー」と皮肉った。
「彼は政権を離脱し、自分は間違っていた、連立は悪かった、高くついたと主張した。だが彼は、炭素税選挙のために内閣不信任するとは言わない。」
 するとシン党首は、この発言を受けて「新民主党は総選挙の準備はできており、内閣不信任はどの案件においてもテーブルの上に乗っている」と語った。
2310201rch.jpg


 与党は過半数割れに陥ったが、議会で内閣不信任されないかぎり、ただちに政権が倒れることを意味しない。議会は夏休みで、9月16日に再開されるが、自由党政権にはまだ、新民主党やケベック連合から部分的協力を取りつける余地は残っている。閣外協力と引き換えに突き付けた諸条件を、新民主党が心から大切に思うなら、それらの法案が成立するまで政権を支えるかもしれない。
 処方薬の保険適用に関するファーマケア法案は、両党で合意に至らず、新民主党は3月までに議会に提出しなければ閣外協力を取り下げるとまで色めきだった。そして2月終わりに提出され、6月に下院を通過したが、まだ上院で滞っている。法案は避妊薬と糖尿病治療にしか適用されないが、新民主党はこれを不十分だとみなしている。
 投票日を3日間とし選挙区のどの投票所でも投票可能にするC-65法案も、下院の第二読会を通過したにすぎない。次の総選挙に適用させるには、来年の夏休みまでに両院を通過しなければならない。
 ダルハウジー大学で政治学を教えるロリ・ターンブル教授は、2025年中頃の総選挙なら、新民主党が自由党政権から十分距離を置き、資金も貯まっているだろうと語った。
「もし私が賭けているなら、解散は春の予算案になると予想する。」


シン党首が政権離脱を告げる動画:https://www.youtube.com/watch?v=l9_FMDnxKHI
posted by 高橋 幸二 at 11:37| Comment(0) | 新民主党 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント