政府の介入により鉄道ストが頓挫して、労組を支援していた新民主党の面目は丸潰れとなった。閣外協力の先行きに不安を覚えた自由党のカリナ・グールド下院院内総務は「協定は良い協定だと、私は確信している。それは強い合意であり、6月末まで続く」と8月27日に語った。だがその同じ日、新民主党のシン党首は連邦議会議事堂の前で、自由党を非難し閣外協力を取り下げるという動画を撮影していた。
自由党の支持率は、20%前後を行ったり来たりしている。そして新民主党の支持率は、彼らの要望を一つ一つ成就させていきながら、いっこうに上がらない。新民主党執行部は、とうの昔に政権離脱を計画していた。インサイダーは匿名を条件に、党内で進行する計画についてメディアにリークした。メディアも、情報を漏らさないと約束した。
連邦議会が6月に中断され夏休みに入ったとき、すなわち閣外協力が失効する予定より1年早く、シン党首は政権離脱を考え始めた。党員たちは「もう十分達成した。次のステップに進もう」と言い始めた。だが議員たちは、選挙区に戻り支持者と相談したいと言った。
執行部は8月上旬、政権離脱を決めた。あとはいつ、いかなるタイミングで発表するかだった。発表はレイバーデイ(9月2日)よりあとで、9月16日に召集される連邦議会の前に招集される幹部会より前と決まった。
26日、鉄道ストが短時間で終了。27日、動画撮影。29日には、保守党のポワリエーブル党首が新民主党に政権離脱を呼びかける公開書簡を公表。政権離脱は決まっていたが、新民主党もメディアも秘密を守った。新民主党のアン・マクグラス理事長は「協定から手を引く選択肢は、常にテーブルの上に乗っている。だが、するべき多くの仕事が残っている」と語り、本心を隠していた。
彼女は何喰わぬ顔で9月3日、オタワのレストランでケイティ・テルフォード首席補佐官の誕生パーティに出席し、飲んでいた。政権離脱の通告は、その半日後だった。
議員たちは4日朝、電子メールを受け取った。そこには、シン党首が今日政権離脱を発表するので、13時までは口外しないようにと書かれていた。
総理府は12時15分、政権離脱の電子メールを送られた。12時44分、新民主党議員たちに送られた電子メールが、トロント・サン紙のブライアン・リリー氏によってXに公表された。
12時47分、新民主党は総理府に電話し、政権離脱を伝えた。だがトルドー首相は不在で、ニューファンドランド&ラブラドル州ロッキーハーバーの学校で、連邦給食計画について話し合っていた。首相は政権離脱を、メディアから知らされた。自由党のステファン・ローゾン議員は憤慨した。
「新民主党とシン党首は、無礼であろう。彼には、総理に電話で話す勇気すらなかったのか。総理は、ニュースをメディアから知らされたのだ。」
12時55分、新民主党は動画を投稿し、国民に政権離脱を公表した。
シン党首の側近ジェニファー・ハワード氏は、反スト破り法・デンタルケア・ファーマケアを挙げ、「協定の成功」を誇りに思うと語った。
「今こそ前に進むときだ。そして、次の総選挙が国の未来の展望を争う戦いになることは明らかだ。」
2024年09月08日
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