新民主党が閣外協力を9月4日に取り下げたことで、いつ内閣不信任されてもおかしくない状況となった。ケベック連合のアラン・テリエン下院院内総務は8日、「自由党政権への要求のリストはすでに作成した」「政権支持の代償は安くはない」と語った。
「我々の目的は同じままだが、そこに至る手段はより簡単になった。」
「我々は、ケベックの利益のために交渉し、要求する。我々のパワー・バランスは向上した、それは確かだ。」
新民主党の政権離脱により、与党自由党は過半数割れとなった。世論調査では保守党の支持率が圧倒的で、即時の解散・総選挙を求める保守党と、総選挙をできるだけ先送りしたい自由党の間で、ケベック連合はキャスティング・ボートを握っている。
だが1年以内に行われる総選挙で、2番目に多い議席を持つケベックはキング・メーカーではない。なぜなら保守党は、ケベックを除くあらゆる地域で20%以上のリードを保っているが、ケベックでの支持率が低いため、保守党はケベックで取れる議席は少なくても全国的に圧勝すると見られているからだ。
ケベック連合の地盤はケベックの郊外だが、都市部はリベラルな有権者が多く、ケベック連合は自由党からこれを奪いたい。いっぽう保守党は、ケベックの郊外には保守の有権者が多いため、ケベック連合からこれを奪いたい。
保守党が過半数政権を築いてしまえば、ケベック連合はキャスティング・ボートを失う。今なら自由党少数政権なので、要求し放題だろう。総選挙はどう転んでも1年以内には実施されるが、どうせなら今のうちにケベックの利益になることをしておきたい。
テリエン下院院内総務は、リストの一つは65歳以上74歳以下への年金支給を75歳以上と同等にすることと、もう一つはトルドー政権が制限した外国人労働者の拡大だと明かした。
「要求は容易で、可能で、明確である。」
「テーブルの上にある要求は明確だ。私には交渉する用意がある。」
ハーパー前首相(保守党)は、第一次政権では過半数割れだったが、ケベック州を優遇する予算案を作成し、天敵ケベック連合に支持され内閣不信任を免れた。
2024年09月09日
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