マニトバ州エルムウッド-トランスコーナ選挙区の補選が、9月16日に実施される。任期は最長で13か月しかなく、新民主党の政権離脱により解散・総選挙はいつ起きてもおかしくない状況だ。ここは過去20回のうち新民主党が18回勝った鉄板選挙区で、通常なら誰も気にもとめない補選だが、同党が政権離脱して最初の選挙であり、ここを落とすようなことがあれば、シン党首の指導力が問われかねない。
新民主党のフランソワーズ・ボワバン元議員は、もし補選に負けたら、シン党首の政権離脱が遅すぎたという批判が起きると予測した。
「この選挙区を失えば、大きな痛手となり、ジャグミート(・シン党首)がリーダーシップを保つことは難しくなるだろう。」
サスカチュワン新民主党政権で財務大臣を務めたアンドリュー・トムソン元州議は、この補選は候補者の問題というよりシン党首の問題になるかもしれないと語った。
「私が思うに、これはリーダーシップのテストであり、候補者を越えた問題だ。それは新民主党ブランドについてであり、シン党首のリーダーシップについてである。」
シン党首は、たとえ2つの補選を落としても党首に留まると明言し、連邦保守党をマニトバ州議会選挙に負けた進歩保守党政権にたとえた。
「マニトバ州の人は最近、その選択をした。彼らは保守党を拒否し、保守党の意地悪な政策と削減を拒否した。そして今、それは彼らに再びある選択である。」
自由党が6月、牙城トロント-セントポール選挙区の補選を落としたことは、現政権への強い批判の現れとして、トルドー党首(首相)のリーダーシップに疑問を抱かせた。9月16日には、ケベック州ラサール-エマール-べルダン選挙区でもう一つの補選がある。過去20回のうち自由党が18回勝った鉄板選挙区だが、自由党は今回人気がなく、ケベック連合・新民主党と三つ巴の激戦となっている。ここも閣外協力取り下げをめぐり、トルドー首相とシン党首にとって試練になるだろう。
シン党首が2017年10月に就任して以降、ケベック州で2つの総選挙と4つの補選があったが、新民主党が当選させたのは一人(2度)だけだった。政治評論家のエリック・グルニエ氏は、新民主党候補がケベックで勝つようなことになれば、シン党首より大きな影響力を持つことがありえると予想した。
「そこに反自由党・反トルドーの機運があるなら、それは新民主党へ向かうだろう。新民主党はケベックでは振るわないので、もし当選することがあれば、名声は党ではなく候補に行くだろう。」
2024年09月11日
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