2024年09月18日

保守党、24日に内閣不信任動議提出

 保守党のポワリエーブル党首は9月24日、内閣不信任動議を提出する。その内容は、非常にシンプルである。
「下院は、首相と政府を信任しない。」
 ポワリエーブル党首はたびたび「炭素税選挙」と言い、炭素税を槍玉にあげてきたが、その文言は慎重に省かれた。
 下院の現有議席は、自由党154(議長を含む)、保守党119(副議長を含む)、ケベック連合33、新民主党25、緑の党2、無所属3、欠員2(定数338議席)であり、トルドー内閣が下院で信任されるには過半数の169が必要となるが、新民主党とケベック連合は態度を鮮明にしていない。両党は与党に条件闘争を挑むと見られ、可決されないと思われるが、保守党は両党の旗幟を鮮明にさせることに意義を見出していると考えられる。

 カナダ政治の特徴として、連邦党と地方党は独立していることが挙げられる。同じ名前の党でも、協力しているとは限らず、別の党を支援していることがある。ところが新民主党は、連邦党と地方党が同一組織である。ブリティッシュコロンビアとサスカチュワンで近く総選挙が実施され、このうえ連邦でも総選挙があると、財政がパンクしてしまう。悲願のファーマケアはまだ上院で滞っており、新民主党はこの時期の総選挙を回避すると見られる。

 ケベック州には、環境問題に敏感な有権者が多い。ケベック連合のマルタン・シャンプー議員は16日、CBCの番組に出演し、内閣不信任動議が炭素税を批判したものであれば、同党は同調しないだろうと述べた。
「それは保守党の狙いにかなう行為で、それはケベック連合のものではない。」
「保守党からの炭素税に基づく動議を、ケベック連合が支持するとは私は思わない。正直に言って、彼らにはよりよい別の方法があると思う。」
 ケベック連合のブランシェ党首は、動議の文言にこだわった。
「彼らが我々に動議を最後まで読んでほしいなら、彼らは非常に狡猾になり、巧妙に書く必要がある。それはおそらく、ただのショーに過ぎないだろう。」
「私は、ジャスティン・トルドーをピエール・ポワリエーブルに入れ替えることを目的としていない。ケベックにとって、ピエール・ポワリエーブルがトルドー氏よりいいとは思わない。」
 彼は、議会の会期は長くは続かないだろうが、ハロウィン以降に内閣不信任すると、12月の総選挙になりクリスマスにかかるので好ましくないと語った。
「我々は、4台の車でチキンゲームをしている。それゆえ私は、この会期が長期に続くとは考えていない。」
「私は、10月中旬がホットスポットになると考えている。」
 ケベック連合は自由党に対し、年金改革と外国人労働者の増員についてすでに打診した。同党はあくまでも、ケベックの利益を求め条件闘争を挑むようだ。
「それがケベックに良いなら、我々はそれに賛成する。それがケベックにとって良くないなら、我々はそれに反対する。」
posted by 高橋 幸二 at 23:50| Comment(0) | 保守党 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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