2024年12月21日

トルドー内閣改造、カーニー氏入閣せず

 トルドー首相は12月20日、おそらく最後となる内閣改造を行った。マーク・カーニー元総裁は入閣しなかった。

 アニータ・アナンド予算庁長官兼運輸大臣は、運輸大臣兼国内貿易大臣となった。
 ゲイリー・アナンダサンガレー政府-先住民関係大臣は、カナダ北部経済開発庁担当大臣となった。
 スティーブン・マッキノン労働・高齢者大臣は、労働力開発・労働大臣となった。
 ジネット・プチパ=テイラー雇用・労働力開発大臣兼公用語大臣兼退役軍人大臣は、予算庁長官となった。

 新入閣は、8人である。デビッド・マギンティ議員(オンタリオ州オタワ=サウス選挙区)は、公安大臣に任命された。彼の父ダルトン・マギンティSr.は元オンタリオ州議で、兄ダルトン・マギンティJr.は元オンタリオ州首相である。
 レイチェル・ベンダヤン議員(ケベック州ウートルモン選挙区)は、公用語大臣兼公安副大臣に任命された。イスラエルによるパレスチナへの攻撃は激しく、カナダにおけるユダヤ系へのヘイトクライムは、2022年には527件だったのが、2023年には900件と倍増している。モントリオールでは18日にシナゴーグへの放火、20日にはユダヤ系小学校での発砲事件があったばかりだ。公安大臣は別に任命されているが、ユダヤ系の彼女を公安副大臣に任命したのは、高まるユダヤ系へのヘイトクライムに対し、トルドー首相が断固たる処置を取るというメッセージだろう。
 彼女は以前から、銃規制を強く主張している。1989年に銃乱射事件が起きたモントリオール理工科大学は、彼女の選挙区にある。
 ルビー・サホタ議員(オンタリオ州ブランプトン・サウス選挙区)は、民主機構大臣兼南オンタリオ経済開発庁担当大臣に任命された。彼女の両親はインド人で、日系ではない。サホタは夫の姓である。
 エリザベス・ブリエール議員(ケベック州シェアブルック選挙区)は、歳入大臣に任命された。
 ダレン・フィッシャー議員(ノバスコシア州ダートマス-コールハーバー選挙区)は、退役軍人大臣兼国防副大臣に任命された。
 ジョアン・トンプソン議員(ニューファンドランド&ラブラドル州セントジョンズ・イースト選挙区)は、高齢者大臣に任命された。
 テリー・デュギッド議員(マニトバ州ウィニペグ・ノース選挙区)は、スポーツ大臣兼中西部経済開発庁担当大臣に任命された。
 ナサニエル・アースキン=スミス議員(オンタリオ州ビーチェス-イーストヨーク選挙区)は、住宅・インフラ・コミュニティ大臣に任命された。彼は今年始め、次の総選挙に出馬しないと発表したが、そのような人物が閣僚に任命されるはずはなく、考えを変えた可能性が高い。

 フリーランド副首相の電撃的な辞任を受け、新民主党も倒閣の旗幟を明確にした。休会中の連邦議会は1月27日に召集される予定だが、1月末か2月初めにもトルドー内閣は不信任されるだろう。
 保守党のポワリエーブル党首は、メアリ・サイモン総督に手紙を送り、議会をただちに召集するよう要請した。連邦議会は休暇中だが、まだ会期内である。法律上、休暇中の議会を召集する権限は総督にはなく、議長にしかない。なお総督は、議会を停会することはできる。停会があるとすれば、トルドー首相が辞任を決意し、党首選を行う場合だろう。
 ケベック連合のブランシェ党首は、SNSで次のように述べた。
「ジャスティン・トルドーの自由党政権が、予算、施政方針演説、または野党の日を生き残る筋書きはないと理解しなければならない。」
 ロブ・オライファント議員は20日、新内閣を「暫定内閣」と呼び、トルドー降ろしに加わると宣言した。
「私は入閣した同僚たちを見た。そして、彼らが良かったと思ってくれたらいいと思った。」
「だが私は、この内閣の上で時計がカチカチ鳴っていると思う。そして、我々は最善のリーダーを選ぶのだと決意する必要がある。」
posted by 高橋 幸二 at 10:27| Comment(0) | 自由党 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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