内閣閣僚ですら、総選挙を勝ち抜ける見込みがなく、次々に政界引退を表明した。首相はこれらの閣僚を入れ替えるため、12月20日には内閣改造に踏み切ったが、政権浮揚どころか、フリーランド副首相に愛想を尽かされ、あてにしていたカーニー元総裁には拒否された。ロブ・オライファント議員ら、入閣を打診されたにもかかわらずかなわなかった議員たちは、トルドー降ろしに加わった。
また首相は、サイモン総督に連邦議会の停会を要請し、承認された。これにより27日に予定されていた連邦議会は召集されず、3月24日まで停会される。自由党は野党に煩わされることなく党首選を実施できるが、20日にはトランプ次期大統領が就任し、カナダが具体的な対策を示さなければ報復関税25%を課することが予想されるにもかかわらず、内閣は死に体であり議会は機能しない。3月末まで政府は議会の承認なしに歳出でき、予算案は提出されない。
今会期における審議未了の全ての法案は、廃案となる。次の連邦議会は、新首相が書いたスローン・スピーチ(所信表明演説)から始まるが、これに対する信任投票がある。主要3野党は、(トルドー)内閣不信任すると公言しているが、何もしていない新首相を不信任することになる。新首相は何もできないうちに解散・総選挙に追い込まれ、勝てる見込みは絶望的にない。
アンガス・リード社が12月30日、2261人を対象に実施したオンライン支持率調査は、保守党45%、新民主党21%、自由党16%、ケベック連合11%、緑の党3%、人民党1%、その他2%と、自由党が新民主党を下回った。
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