2025年01月11日

自由党党首選のルール発表

 自由党は1月9日、党首選を3月9日に行うと発表した。
 立候補者は1月23日までに手数料35万ドルと、300人以上の党員の署名の提出が必要で、そのうち100人は3つ以上の州・準州からの党員でなければならない。
 投票資格があるのは、41日以上前に登録された党員で、14歳以上のカナダ市民権または永住権保有者(外国人でも可)である。なお公職選挙法が定める有権者は18歳以上のカナダ市民で、保守党が2022年に実施した党首選では16歳以上だった。自由党はかつて党員でありさえすれば永住権に関係なく投票できたが、外国の選挙干渉が問題視され、今回永住権が要件となった。
 カナダ自由党員は、他の連邦政党の党員であってはならない。立候補を表明しているクリスティ・クラーク元BC州首相(元BC自由党党首)は、2022年カナダ保守党党首選でジャン・シャレー候補を支持したが、彼女が保守党員だったことはないと主張しているのに対し、保守党は彼女が入党した記録があると主張している。現在は保守党員ではないという。
 党首選は、全選挙区(343)に100ポイントを割り当て、党員は優先順位をつけて投票する。1位票で特定候補が過半数に達すれば当選し、そうでなければ最下位の候補を除外して、2位票を割り振り、誰かが過半数に達するまで繰り返す。

 連邦議会は、3月24日に召集される。新首相によるスローン・スピーチ(所信表明演説)が行われ、信任投票が行われる。不信任は内閣不信任と見なされるが、この信任投票は慣例で、省略することができる。
 予算案の提出期限は3月26日で、これも信任投票があり、不信任は内閣不信任と見なされる。トルドー首相は辞任表明した翌日の1月7日、新民主党のシン党首とケベック連合のブランシェ党首と会談し、2つの信任投票で信任するよう依頼して拒否されていたことがわかった。過半数を占める3大野党はいずれも倒閣を宣言しており、取りつく島はなかった。
 選挙期間は36日以上50日以下と規定されているため、総選挙は5月になるだろう。ただし、不信任されるとわかっているスピーチや予算案を作成するのが面倒なので、党首選の後新首相が宣誓し、いきなり解散を要請することはありえる。ピエール・トルドー首相は1984年2月29日に辞任を表明、6月16日に党首選が行われ、当選したジョン・ターナーは30日に首相に就任し、9日後に下院を解散した。

 有力者たちは、党首選ルールの発表を待っていた。チャンドラ・アーヤ議員とフランク・ベイリス元議員は9日、出馬を正式に表明した。トルドー首相側近のドミニク・ルブラン財務大臣は、出馬を断念した。メラニー・ジョリー外務大臣も10日、トランプ対策を理由に、不出馬を表明した。
posted by 高橋 幸二 at 12:35| Comment(0) | 自由党 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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